8月といえば?立秋・山の日・お盆…… 8月の伝統行事や暮らしの歳時記
8月といえば、「お盆」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。暑い夏真っ盛りの8月ですが、暦の上では秋へと向かっていきます。2016年に制定された、まだ歴史の浅い「山の日」などを含め、8月の行事についてご紹介します。8月7日【立秋】
2025年の立秋は、8月7日から8月22日です。「立秋」は二十四節気のひとつ。立秋といっても、立秋に入る日と、立秋(二十四節気の第13)~処暑(二十四節気の第14)までの約15日間をさす場合があります。暦の上では立秋から秋に入るため、「今日は立秋。暦の上では秋となりました」「立秋を迎え秋となりましたが」などのフレーズがよく使われます。しかし、まだかなり暑い日が続くため、立秋以降の暑さを「残暑」といいます。また、「暑中見舞い」は立秋以降「残暑見舞い」に変わります。
二十四節気では、立秋の前が最も暑い頃という意味の「大暑」、立秋の次は暑さが峠を超えて朝晩に初秋を感じる頃という意味の「処暑」となります。気象や体感的には夏真っ盛りの時期ですが、立秋を迎えると、いつまでもこの暑さが続くわけではなく、秋に向かっていくんだという感じになります。
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8月11日【山の日】
山の日は8月11日です。2020年と2021年は東京五輪の開閉会式に合わせて3つの祝日(海の日、山の日、スポーツの日)が移動されましたが、2022年から元に戻りました。山の日とは「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨の国民の祝日。他の祝日と異なり、山に関する特別な出来事などの明確な由来があるわけではなく、「山の日」を国民の祝日にしようという様々な動きによってできました。
日本は国土のおよそ6~7割が山地で、周りを海に囲まれているため、山や海に畏敬の念を抱きながら生活し、それらの恵みに感謝しながら自然とともに生きてきました。1995年に「海の日」が国民の祝日になると、山梨県をはじめ複数の府県で独自の山の日ができ、次第に「山の日」を国民の祝日にする運動が全国に広がりました。こうした動きを受けて2014年に「山の日」が制定され、2016年に施行となりました。
8月11日になったのは、お盆のころで休暇がとりやすいということ以外に、「八」の字が山の形にみえるため「8」、木が立ち並ぶイメージから「11」というふうに、山を連想させる数字として親しまれてきたことも一因です。
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8月13~16日【お盆】
お盆は、先祖の霊を家に迎えて供養しながら、「お陰さまで元気で暮らしています」と感謝する行事です。仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と日本古来の先祖信仰が結び付き、日本独自のお盆が形成されました。旧暦のころは7月15日に先祖の霊が帰ってくるとされていました。今でも7月にお盆を行う地域がありますが、新暦では8月半ばにあたるため、昔の季節感そのままにできるよう、多くの地域で月遅れの8月15日を中心に行っています。8月にお盆休みがあり、お盆の帰省ラッシュになるのは、みんながお盆に里帰りをするからです。
・8月13日=迎え盆
・8月15日=盆中日
・8月16日=送り盆
お盆の風習は宗派や地域によってさまざまですが、盆棚をしつらえて供物を供え、盆提灯を飾ったり、迎え火や送り火などを行うところが多いです。京都の「五山の送り火」や長崎の「精霊(しょうろう)流し」も送り火のひとつです。
盆踊りや関西地方の「地蔵盆」のように、お盆にまつわる行事もたくさんあります。盆踊りは、お盆にかえってきた祖霊を慰める霊鎮め(たましずめ)の行事。念仏踊り(自分で念仏を唱えながら踊る)から踊り念仏(念仏を唱える人と踊る人がいます)に発展した民族芸能が、盂蘭盆会と結びつき、精霊を慰めたり送り出すための行事になりました。15日の晩に盆踊りをし、16日に精霊送りをするのもそのためです。
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8月の行事食・食べ物
●暑気払い:冷麦、そうめん、ビール、瓜、氷、甘酒など暑さをうち払う「暑気払い」は、夏の暑い時期ならいつでも構いません。体に溜まった熱気をとり除き、夏を乗り越えるための「暑気払い」には、夏バテを防ぐ上でも効果的な冷麦やそうめん、体を冷やし利尿作用のあるビール、古くから暑気払いに効く食べ物として重宝されていた瓜(西瓜・胡瓜・冬瓜・苦瓜・南瓜)、夏ならではの風物詩でもある氷(かき氷・氷菓子・氷料理)、夏の季語でもある甘酒などが昔ながらの定番です。
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